階段の形状は直線と曲がり(折れ曲がりタイプと螺旋などの曲線タイプ)に大別されます。まずはその形状に応じた階段昇降機を選びます。
ただしこの記事で紹介するようなポイントも考慮することで、《階段昇降機のある、より快適な暮らし》を実現することができます。
ご自宅の階段が直線の場合~でもこんなときは曲線型階段昇降機を選ぼう
階段が一直線の場合、まずは直線型の階段昇降機を選ぶかと思います。ただし以下のようなポイントは確認しましょう。
- 直線階段の途中に踊り場がないか?
- 1階から3階まで階段昇降機で移動するか?
- 階段の上端と下端に乗り降りするスペースが有るか?
- 階段昇降機を使わないときに、どこに待機させるか?
- 土間玄関からすぐに階段がある?
上記が当てはまる場合は、曲線型の階段昇降機のほうが適しているかもしれません。次の章ではそれぞれのポイントについて詳しくまとめます。
直線階段の途中に踊り場がないか?
直線階段の途中に踊り場があり、下階から上階まで階段昇降機で移動するとします。その場合、直線型の階段昇降機では合計2基必要になってきます。
曲線型階段昇降機なら踊り場を含めてレール1本(1基)で設置することができます。2基のときとは費用面や利用者の体への負担(2基なら2セット乗り降りする必要がある)が異なりますので、併せて検討しておくとよいでしょう。
1階から3階まで階段昇降機で移動するか?
3階建て以上の住居で、最下階から最上階まで階段昇降機で移動するなら、上述の踊り場のある階段同様、直線型ですとそれぞれの階段に設置が必要となります。
曲線型の階段昇降機を設置する場合、廊下(3階建ての場合は2階の廊下)にもレールを通すことで1基で済む場合があります。こちらのケースも費用面や利用者への体の負担が変わってきます。
階段の下端と上端に乗り降りするスペースが有るか?
階段のすぐそばにドアがある場合や、車椅子への移乗、生活動線(乗り降りしたい向き)などを考えたとき、乗り降りに適したスペースがあるところまで移動できるように、レールを延長するとよいでしょう。直線型の階段昇降機ではまっすぐの階段部分にしか取り付けることができず、このような調整ができないため、注意が必要です。
階段昇降機を使わないときに、どこに待機させるか?
使わないときの階段昇降機の待機位置が気になる方は曲線型を選びましょう。柔軟にレールを設置可能なため、待機位置として最適な場所まで移動できるように、レールを設置することができます。
玄関からすぐに階段がある間取り
玄関から上がってすぐ階段がある間取りの場合、玄関からの段差も階段昇降機でカバーすることができます。そのため直線階段でも曲線型の階段昇降機を選んで設置する方もいます。
ご自宅の階段が曲がり階段の場合~外回りと内回りレールの差に注意
曲がり階段(折れ曲がり階段や螺旋階段など)の場合は基本的に曲線型の階段昇降機を選びます。ただし、外回りと内回りのどちらにレールを設置するかも併せて考えるとよいでしょう。
TKEの曲線型製品についてはこちら
外回りと内回りのどちらに階段昇降機を設置するか
曲線型の階段昇降機の場合、階段の左右どちらにレールを設置するかで様々な点が変わってきます。例えば下から見上げて右に曲がる箇所のある階段の場合、階段の左側を通るルートが外回り、右側を通るルートが内回りとなります。外回りと内回りとでは以下が変わってきます。
- 移動距離の違い:外回りの方がレールが長い
- 傾斜の違い:内回りのほうが傾斜がきつい
- 昇降機を使わないご家族の方が通る場所、手すりが必要かどうか
- 昇降機が手すりと干渉しないか
こちらもそれぞれ見ていきましょう。
移動距離の違い
基本的には外回りのほうが移動距離が長くなります。レールが長くなる分、費用面も変わってきます。
傾斜の違い
基本的には内回りのほうが傾斜がきつくなります。階段昇降機は製品ごとに対応可能な傾斜角があります。そのため内回りに設置したくても、製品の仕様によっては傾斜角の関係で外回りにしか設置できない場合もあります。
階段昇降機は、一般的に50度くらいまでの傾斜に対応しています。TKEの曲線型階段昇降機は70度まで対応が可能なため、急勾配な階段であっても柔軟な対応が可能です。
ご家族の方が通るルート
階段昇降機を利用していない方が通るルートを確保することも大切です。階段の大きさにもよりますが、外回りに階段昇降機を設置した場合、内側の踏み板の面積が小さいため、ご家族の方にとっては階段の昇り降りがしづらくなるかもしれません。
一方で、階段途中の曲がり部分に、使用していない時に階段昇降機を待機させる場所を設ける場合など、ご家族の方にとって階段昇降機が上り下りの邪魔にならないよう、あえて外回りに設置する場合もあります。
手すりと干渉するか
手すりがついている階段の場合、階段昇降機の設置に伴い、手すりを外す必要がでてくるかもしれません。左右どちらかにしか手すりがない場合は、手すりがない方に階段昇降機を設置することで、手すりの改修などは不要になります。
けれども、階段昇降機を利用されないご家族の方も、上り下りには手すりを利用されるなど、既存の手すりを残して設置したいケースもございます。時には手すりのない側が内回りで傾斜がきつく、製品の対応可能な傾斜角の関係で設置できないような場合もあります。なるべく急な傾斜にも対応可能な製品を選ぶとよいでしょう。
結局外回りと内回りのどちらに階段昇降機をつけたらいい?
上記のポイントを踏まえると一概に外回りと内回りのどちらが適しているかは言えず、利用者とそのご家族、既存の住環境を考慮した選択が求められます。ただし、製品の性能の差や業者ごとの提案力の差で選択肢が狭まる可能性もある点には注意が必要です。
製品選びやどのように設置するべきかお悩みの方はお気軽にTKEにご相談ください。TKEのサービスと製品の特長については以下をご覧ください。
階段の形状以外の要素で選ぶ
階段の形状だけでなく、建物のスタイルやインテリアのデザインなどを基準に選ぶ方もいらっしゃいます。
コンパクトな階段昇降機を選びたくなる狭小住宅の階段~レールも重要
狭小住宅の階段に取り付ける場合、階段自体も狭いことが多いため、なるべく椅子部がコンパクトな階段昇降機を選びたくなります。ただし椅子が小さいことよりも、設置の柔軟性が大事なポイントです。
いくらコンパクトなサイズの椅子だったとしても設置したレールがはみ出して生活動線と干渉したり、付近のドアや収納棚などと干渉したりしてしまっては、快適な暮らしとは言えません。
狭小住宅ですと狭いだけでなく急傾斜な階段の場合もあります。急傾斜でさらに内回りへの設置となると、50度前後までが対応範囲の製品では希望通りに設置できない場合があります。
また、階段が狭いだけでなく、柱の出っ張りなどの障害物により、椅子を横に回して避けなければならない場合、走行中に椅子を自動旋回させる機能のある製品でないと、対応は困難です。
狭小住宅への階段昇降機の設置についてはこちらのコラムや事例もご覧ください。
デザインで選ぶ~バリエーションがポイント
最後はデザイン重視で選ぶケースについて紹介します。インテリアのデザインを基準に選ぶとき階段昇降機の椅子部分とレールそれぞれのデザイン、形状やカラーバリエーションがどれだけあるかが重要になってきます。
TKEの階段昇降機のデザイン性についてはこちらの特長についてまとめたページと事例もご覧ください。
また階段を利用する方の安全を考えたデザイン選びも重要です。例えばレールの色は、目立たないよう階段の色に合わせたものを選びたくなりますが、例えば薄暗い中で階段を使う際、階段や壁に溶け込んだ色合いのレールですと、気づかず足を引っ掛けてしまうかもしれません。そのような視点でデザインを選ぶことも大切です。
階段を選ぶ際には提案力のある業者へご相談ください
ここに書いたようなポイントを参考に、利用者やそのご家族、住環境にあった階段昇降機を選んでいただければと思います。
ただし、ポイントによってはなかなかお客様側で気づくことが難しいこともあります。経験豊富で提案力のある業者へご相談ください。TKEは製品だけでなく、提案力にも自信があります。お気軽にご相談ください。