TKエレベーターは、アメリカ合衆国ニューメキシコ州にある世界遺産「カールズバッド洞窟群国立公園」に、訪問者を地表から230メートル下まで降下させるエレベータの入れ替え工事を完成させました。
乗客ををスムーズに移動させるため、新たに2基のエレベータが設置され、ビルで言えば地下67階に相当するレベルまで、約1分で降りることができるようになりました。
世界遺産の保護とバリアフリーの推進
ニューメキシコ州チワワ砂漠の真ん中に位置するカールズバッド洞窟群国立公園は、100を超える石灰岩の洞窟で構成された、年間約50万人が訪れる観光名所であり、また地質調査や希少生物の調査など科学者の関心の高い場所でもあります。
ここに1955年に設置された、老朽化したエレベーターを、環境と安全に配慮し、世界遺産を傷つけることなく新装する必要がありました。
2年がかりの巨大プロジェクト
設置工事の最大の難関は、環境と世界遺産への配慮でした。
機器や資材はすべて、既存のエレベーター シャフトの中を慎重に降ろされ、もろい洞窟を傷つけることなく、また洞窟内の生態系への影響を最小限に抑えるよう配慮しました。
昇降路の構造補強工事や、レール、ケーブル、巻き上げ機およびかごの構成部品は、洞窟内の高い湿度を考慮して、亜鉛メッキ鋼とステンレス鋼を使用して耐久性と耐腐食性を確保し、信頼性が高く長寿命のエレベーター システムを実現しました。
TKエレベーターの卓越した技術により、世界遺産のこの場所への、バリアフリーで安全なアクセスを、将来の世代にわたって守ることができました。