階段の昇り降りがつらい、あるいは介助が必要なご家族のため、上下階への移動を助ける機材として、家庭用のエレベーター『ホームエレベーター』を思いつく方が多いかと思います。
自宅にホームエレベーターを後付けできれば、車椅子を利用されている方でもそのまま乗り降りでき、介助者と一緒に乗ることもできます。
ただし取り付けるためには、住宅本体に求められる条件や費用ももちろん発生しますので、ホームエレベーターという選択肢がとりづらい方もいらっしゃるかと思います。本記事では、ホームエレベーターの導入前に知っておきたい、設置条件や価格などの情報をまとめます。また別の選択肢として階段昇降機(詳しくは後述)と比較した情報もご紹介していきます。
買って後悔する前に知っておきたいホームエレベーターのあれこれ
前述の通り、ホームエレベーターを設置するためにはいくつかの点を考慮する必要があります。例えば、以下のようなことが挙げられます。
- ①住宅本体の強度、耐久性
- ②ホームエレベーターを上下階に通すための間取り
- ③費用面
①②について、新築であれば初めからそのように設計すればいいのですが、後付けとなるとなかなか難しく、エレベーターが取り付けられない場合も少なくありません。次の章では上記の3点について、詳細を解説いたします。
①住宅本体に求められる強度・耐久性について
ホームエレベーターの設置に当たっては建築基準法で定めた耐震基準を、設置後も満たしていることが求められます。具体的には以下の2点が必要となります。
- エレベーター自体を支える基礎部分の追加
- エレベーターを通すためのシャフト(昇降路)空間をあけることで失われる、建物の強度の補強
この他にも、エレベーター自体にも耐震基準(戸開走行保護、地震時管制運転、停電時自動着床装置等)が定められています。
②間取りについて
ホームエレベーターの設置に当たっては一般的に2平米程度のスペースが下階~上階通して住宅内に必要となります。実際には何人乗りかによっても必要な間取りは変わってきます。
③ホームエレベーターの価格や設置費用、税金について
ホームエレベーターを設置する際には以下のような費用が主にかかってきます。金額はあくまで目安となります。
- 本体価格:300~500万円
- 設置工事費:50~60万円
- 住宅改修費:物件により異なる
- 設置確認申請費:数万~10万円
住宅改修費は主に上述した耐震基準をクリアするための補強を目的として必要となります。また上記以外にも、維持費・ランニングコストとして以下のような費用が発生します。
- 定期点検費用:法定点検約7万円/年+保守契約料別途数万円/年
- 固定資産税:+2~3万円/年
- 電気代:月々数百円程度
上記以外にも油圧式ホームエレベーターの場合は約5年おきに5万円程の交換代がかるなど、様々な付帯費用が発生します。場合によっては本体価格と同等か、それ以上の付帯費用が必要になることもあります。新築時にエレベーターの設置を前提として設計してあればよいのですが、ホームエレベーターを後付けで設置する際に、住宅の間取りと構造に大幅なリフォームが必要な場合は更に費用がかかります。
【費用に関する落とし穴】ホームエレベーターの耐用年数について
さらに、費用の点で盲点となりがちなのが「耐用年数」です。どんな機械にも寿命はあります。ある年数を過ぎると故障が多発したり、修理や保守に多額の費用がかかるようになって、買い替えが必要な時期がやってきます。
ホームエレベーターの法定耐用年数は17年。階段昇降機には法定耐用年数は定められていませんが、一般的には10年程度とされています。 10~20年後には、買い替えのために大きな費用が必要となることを考えておかなくてはなりません。
TKEの階段昇降機の場合、階段に取り付けるレールの寿命は椅子型昇降機本体よりもずっと長く、使用頻度や摩耗の度合いをみて既存のレールを残したまま、椅子本体だけを買い換えられるケースもあります。その場合、買い替えに伴う費用もぐっと抑えられます。
ホームエレベーターが難しい場合は『階段昇降機』
ホームエレベーターがダメならホームエスカレーター?
残念ながら家庭用のエスカレーターというものはありません。
⇒コラム「家庭用のエスカレーターがないのはなぜ?」
でも解決策はあります。日本ではまだそれほど普及していませんが、「椅子式階段昇降機」(階段リフト)をご存じでしょうか。これは、階段にレールを取付けて、そのレールの上を、椅子が人を乗せて昇り降りする機械です。「椅子エスカレーター」とでも呼べるかもしれません(私たちは “マイエスカレーター” と名付けています)。
階段昇降機の具体的なメリット
階段昇降機の設置であれば、間取りを変更したり、階段や壁を補強するなどのリフォームも不要で、ホームエレベーターの半額以下の費用で、階段に後付けする形で設置できます。点検や保守など、設置後にかかる維持費も格段に少なくてすみます。
ほとんどの場合、取り付け工事はたった一日で済み、その日から利用できます。階段に取り付けるレールは1本だけで、壁ではなく階段の踏板に取り付けます。太さはわずか8センチ。使わないときは椅子を折りたためますので、設置した後も、ご家族の方は普通に階段を利用することができます。詳しくは以下のコラムもご覧ください。
TKEの階段昇降機製品一覧
弊社で扱っている階段昇降機については以下のページをご覧ください。
ホームエレベーターと階段昇降機の比較まとめ~メリット・デメリット~
階段昇降機は、設置個所を選ばず、家屋の改修も必要ないため、短期間で、設置費用を抑えて設置できます。また電気代や点検にかかる年間維持費用も節約できます。改めて以下の表にホームエレベーターと階段昇降機を比べたときの違いについてまとめます。
TKEの階段昇降機 | ホームエレベーター | |
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メリット |
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デメリット |
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設置費用 | 80万円~ | 300万円~ |
定期点検 | 保守契約料:約4万円/年 ~ (任意契約) | 法定点検:約7万円/年(必須) + 保守契約料別途 |
固定資産税 | 変わらない | 高くなる(+2~3万円/年) |
設置条件 | 狭い既存の階段でも設置可能 | 十分な間取りと家屋の耐久性が必要 |
家屋の改修 | 必要なし | 大きな改修が必要 |
最大積載量 | 一人、90kg以内 | 介助者も同乗可、~200kg |
まとめると、階段昇降機は比較的安価で取付の敷居がそこまで高くなく、一方でホームエレベーターは介護者の移動以外の用途としても利用が可能な点が異なります。
階段昇降機をご検討の方は、お気軽にティーケー・ホームソリューションズ・ジャパン(TKE)までご連絡くださいませ。
ホームエレベーターとTKEの階段昇降機を比較検討された方の事例
ティーケー・ホームソリューションズ・ジャパンってどんな会社?
ティーケー・ホームソリューションズは、ドイツに本社を置く、家庭用階段昇降機から業務用のエレベーター・エスカレーター、空港の搭乗ゲートなど、様々な昇降機を手がける総合メーカーです。階段昇降機だけでも60年以上の実績があり、年間30,000台以上もの家庭用階段昇降機を、全世界に設置しています。ティーケー・ホームソリューションズ・ジャパンはその日本法人で、北海道から沖縄まで日本全国をカバーしています。
他社が真似できないTKE(ティーケーイー)独自の技術とは?
TKE階段昇降機は、ご自宅の階段の形や利用される方の事情に合わせて、レールを自由に曲げて製造、設置することができます。勾配やカーブを自由に設計できるので、階段が途中で折れ曲がっているとか、すぐ横に扉があるなど、間取りにさまざまな制限がある場合でも柔軟に対応できます。走行しながら左右に旋回できますから、階段の形や障害物に合わせた走行パターンがプログラムできます。この技術はティーケー・ホームソリューションズの特許技術で他社には真似できません
乗る人に優しく、安全で、乗るのが怖くない設計
TKE階段昇降機は、独自のASL(自動水平保持・自動旋回)テクノロジー(特許技術)により、勾配が変化しても、階段の途中に梁や柱が飛び出していても、常に椅子を水平に保ったまま、どこでも左右に旋回させることができ、構造物をよけて昇り降りすることが可能です。
他社製の階段リフトでは、常にレールを背にした状態で(横向きに)走行しなければならないため、レールが高い位置に設置されることが多く、「乗っていて怖い」という声も聞かれます。
TKEなら、階段を下る方向に椅子を向けることができますので、足載せ台が段板に当たらず、より低くレールを設置することが可能です。
まずは現地調査を
階段は家ごとに千差万別ですし、利用される方のご希望もさまざまです。まずは弊社にご連絡ください。ご自宅にお伺いし無料で階段の計測をいたします。その上で、ご希望に合わせた設置のご提案と費用のお見積もりをさせていただきます。
他メーカー階段昇降機との比較
以下では、TKEの階段昇降機と他社メーカーの製品との比較をまとめております。